・液晶テレビのLEDバックライト部分制御は、焼きつきの原因になるんじゃなかろうか?2009/01/13 09:00

焼き付きといって思い出すのはゲームセンターに置いてあるビデオゲームのCRT画面。ゲームのタイトルロゴとか長時間表示される部分が画面に残って、他の画像を表示していてもうっすらと見えてしまうという現象で、直すにはCRTを交換するしかない。

で、液晶TVとプラズマTVの優劣を論じる時、プラズマは焼きつきが発生し液晶は発生しないので液晶有利、といわれることがある。でも、LEDバックライトを部分制御して高画質にするという技術が液晶TVに導入され始めて、

液晶TVも焼きつく

ということになるのではないかと思ったりする。

そもそも何故プラズマパネルが焼きつくかというと、プラズマの画素は個々に自発光するデバイスで、ずっと光っていると発光効率が落ちて暗くなっていく。つまりずっと光っていた画素とずっと消えていた画素では明るさが違ってくるために、その明るさの違いが顕著になると焼きつきとして認識されるということになる。最近のプラズマパネルは発光効率があまり落ちないように改良されてきたのか(あるいは全画素で同じように発光効率が落ちるようにしてあるのか)、焼き付きはほとんど問題にならなくなっているようだが、原理的に焼きつきが起こりうることに変わりはない。

対して液晶パネルが何故焼きつかないのかというと、液晶パネルの発光デバイスはパネルの後ろで常時点灯しているバックライトで、その前に一画素ごとに光を通す通さないを制御できる液晶シャッターを配置するという構造になっていて、発光効率が落ちる時はバックライト全体で落ちるから、部分的に焼きつくというのは原理的にありえない。

、、、だったのだが、最近、LEDを多数個縦横に並べてバックライトとするという液晶パネルが出始めた。

LEDバックライト採用の理由は、ひとつは消費電力を低減するため、そしてもうひとつが黒をより黒くするためだ。

プラズマは自発光するから画素を黒くしようとすれば発光をやめてしまえば真っ暗になって、これ以上の黒は存在しない。液晶も完全にバックライトの光をさえぎることができれば真っ黒にできるのだが、どうしても画素の隙間から光が漏れて、真っ暗なはずの場面でもうっすら明るいという欠点がある。この欠点を克服する技術がLEDバックライトの部分制御だ。

部分的に明るさを制御できない従来のバックライトと違って、LEDを並べたバックライトなら暗い部分のLEDを消してしまえば真っ黒が表現できる。実際には画素数分のLEDを使うわけにもいかないからエリア単位での制御となるだろうが、コントラスト表現はこれまでと比べ物にならないくらい向上しているようだ。

ここまでいえば大体わかると思うが、この部分制御されたLEDの発光効率に差ができると焼きつきとして認識されるわけで、

原理的に液晶TVに焼きつきが起こる

ということになってしまうのでは、、、。

液晶とプラズマ両方の技術の蓄積があるパナソニックはいろいろとこのあたりのノウハウを持っていそうな気がするが、液晶一筋でやってきたメーカはきちんと認識しているのだろうか?それとも、すでにそんな問題は解決されていたりするのだろうか?

実はこのLEDバックライトの部分制御技術の評価が定まったあたりで、やっとこ14インチのブラウン管TVから買い換えようと思っていたわけだが、もう少し待っていた方がいいんでしょうかねえ?

てなこと言ってるから、いつまでも新しいテレビが買えないんだよなあ。(-_-;

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コメント

_ 木全 直弘 ― 2009/01/13 13:30

 何TVの場合だか知らんが、わたしにとっては、焼きつきよりも、ブラウン管TVにくらべて動きがついていってない感じがするところが気になる。

_ 酢こんぶ ― 2009/01/13 14:46

>ブラウン管TVにくらべて動きがついていってない感じが
>するところが気になる。

ああ、それは液晶の応答速度の関係でそうなったり、ノンインターレスだとどうしても残像が見えたりというのが問題のようですね。
ブラウン管TVだと解像度を犠牲にする代わりに動画性能は上なわけで、両方の画質を上げるのに苦労しているんでしょうなあ。
この辺は少しずつ改善されそうですけど、そうなるとやっぱ買い時が難しいんですよねえ。

_ 一休み ― 2009/09/25 02:18

誤った解釈は誤解を生じると思います
プラズマ:プラズマは自発光するから画素を黒くしようとすれば発光をやめてしまえば真っ暗      になって、これ以上の黒は存在しない。
プラズマの明るさ制御は放電時間の長さに依存
プリ放電と言って、>真っ暗になっては 出来ないのです。
AMラジオを画面の前に持っていって御覧なさい。
雑音でラジオが聞けないですよ。(暗くても)

液晶に焼きつきは存在しない液なのですからフイルムの後ろの光源が変化したからといって液晶に変化は無い(後ろから懐中電灯を照らしているようなものその明るさが変わってるだけ。
>LEDを多数個縦横に並べて
懐中電灯が多数個あるだけです。


そう認識しております。
LEDの明るさが一様で無かったら色むらと感じるかも知れませんがね・・・
以上 感想を込め 焼きつきは訂正されたがよろしいと存じます。

_ 酢こんぶ ― 2009/09/25 08:58

一休みさん、コメントありがとうございます。

>プリ放電と言って、
プリ放電は応答速度を速くするために行っているものなので、
「発光をやめてしまえば真っ暗になる」
のは、特に間違ってはいないと思います。応答速度の速いプラズマ発光素子が開発されればTVとして成立するでしょうし。

>LEDの明るさが一様で無かったら色むらと感じるかも知れませんがね・・・
このエントリーではそのように言っているつもりなのですが、、、。
プラズマ素子毎の発光効率の差->プラズマパネルの焼きつきの原因
バックライトLEDの発光効率の差->液晶パネルの焼きつきの原因
ということであって、「液晶が焼きつく」ことはなくても、「液晶TVが焼きつく」ことはあるのではないでしょうか?

反論をお待ちします。

_ 一休み ― 2009/09/26 03:20

こんにちは 
反論ではありませんが一意見としてです。

プラズマの説明がもし見れたら以下
http://www.agc.co.jp/rd/library/2007/57-10.pdf

P社「焼きつき」説明
http://pioneer.jp/biz/support/knowhow/yakitsuki.html
P社で「焼きつき」の表現がありますが、少し違和感を感じておりますがね。

LEDバックライトはブロック単位で例えば時間表示など部分的な字体とか
感じられる「焼きつきには」値しない。
駅の空港の案内板やパチンコの宣伝などに使われるLEDを直接使った表示機は
そうした「焼きつき」と表現される輝度減少はあるかも知れませんがね。
輝度減少:ブラウン管ではエミ減とも言います。

「焼ける」とは表現として不適切と感じ論じました。
部分的な輝度、光不足と思う私です。

追伸、プラズマの前でAMラジオは聞けませんでした。(雑音で)
持っていた経験談です。今液晶ですが雑音は出ません。

貴殿のブログが盛んになることを願い、以上にて終わりとします。

_ 酢こんぶ ― 2009/09/26 07:49

一休みさんが最後といってらっしゃるので私も最後にします。

もともとブラウン管で「焼きつき」と呼ばれている現象は、蛍光体の発光効率の差によって生じます。これは画素ごとの輝度、光不足ということもできるでしょう。これを踏まえると、プラズマパネルにせよ液晶パネルにせよ、発光体の発光効率の差によって認識される明暗を「焼きつき」と呼んでいいのではないかというのが私の意見です。液晶ディスプレイで全面白を表示したとき、例えば左上1/4のエリアが他に比べて明らかに暗かったら、私なら「焼きついた」といいたくなります。

ちなみにパイオニアはプリ放電(予備放電)なしにすることで真っ黒を表現できるプラズマパネルを2008年に実用化しています。

_ 一休み ― 2009/09/26 10:12

_ 酢こんぶ様
解説ありがとうございます。勉強になりました。

さて
プリ放電【無し】とはパイオニアの“KURO”の事でしょうか?
http://pioneer.jp/press/2008/0610-1.html
1 ) 当社従来モデル※1に比べ黒輝度を約1/5にまで低減。さらなる進化を遂げた「黒」

 セル構造を含めたパネル構造及び駆動方式を抜本的に〔改善〕することによって、黒輝度を
さらに「低減」。映像のダイナミックレンジが拡大したことで、さらに豊かな色彩を再現します。

http://shima2010.seesaa.net/article/100193322.html
 第9世代パネルは解像度1,920×1,080で、蛍光体やデバイス、パネル駆動回路を改良。
 予備放電をさらに【低減】した。

2009年1月13日 15:25掲載 パナソニック、HDプラズマTV「ビエラ Xシリーズ」
http://news.kakaku.com/prdnews/cd=kaden/ctcd=2042/id=5646/
 「ダイナミックブラックレイヤー」を構成した新世代プラズマディスプレイパネルを搭載。
 予備放電の駆動電圧をきめ細やかに制御し、予備放電の発光を【抑える】ことで「黒」を沈め、
 ハイコントラスト30000:1を実現している。

上記では低減と述べられ、【無くした】とは説かれておりません。
真空管のバイアスが深くなった状態と自分なり認識しました。
プラズマは前途のごとくラジオ雑音などで今の商品と違いますが購入検討から外しており
最近のプラズマの知識として改めて認識いたしました。
但し「無い」と「低減」・「抑える」はまた別物と感じます。

勉強させていただき、ありがとうございました。

_ 酢こんぶ ― 2009/09/26 11:09

<CES2008:パイオニア>薄さ9mm/予備放電ゼロでコントラスト比無限大の新PDPを発表
http://www.phileweb.com/news/d-av/200801/07/20064.html

CES2008で発表されたものは「予備放電ゼロ」です。
この技術を応用して製品化されたものは、おそらくコストの関係で「ゼロ」にはできなかったのでしょう。
でも、「予備放電ゼロ」のプラズマパネルは確かに実在しています。

_ 一休み ― 2009/09/26 18:07

_ 酢こんぶ様   早速の解説ありがとうございました。認識新たです。
【コントラスト比無限大】 真に望む性能です。
しかし、市場に現存しないことはさみしいですね。
見てみたかったです。情報またまたありがとうございました。再認識しました。
以前の某メーカーSEDと同じ運命でしょうかね・・・

PI 8世代モデル
予備放電をさらに低減した。これにより黒の輝度を前モデル比約5分の1とし、
100,000対1という高コントラスト

PANA
予備放電の発光を抑えることで「黒」を沈め、ハイコントラスト30000:1を実現している。

T社 液晶TV「ZX9000」
http://news.kakaku.com/prdnews/cd=kaden/ctcd=2041/id=8850/
200万:1のダイナミックコントラスト

予備放電ゼロでコントラスト比無限大の新PDP  良いですね!
しかし、実際に仮にあったとして買って、プラズマ特有【焼きつき】生じ、もし修理としたら恐らく
そのコストを考えると手が出ません。ラジオ好きの妻には雑音も聞かせるかもでそれも
購入から外れます。もし、販売店の五年保障で対応できれば別ですが、それでも5年ですね。
この保障料も高いかもですが。
(ラジオの件:現在のPDP実機を目にし、実感していませんのでこれは持っていた時の推測です。)

理想的な【コントラスト比無限大】は最高と思います。
(家庭の蛍光灯で消してもうっすら光る心象で黒を感じない私にはです)
実際に店頭で見てみたかったです。出れば良いですね。
最後に「_ 酢こんぶ様」 情報、ありがとうございました。
これからもがんばってください。 こちらは【焼きつきました】(笑)   
                                        ではでは 拝

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